舞台『刀剣乱舞』の宗三左文字が如何に最高であったか

誰があそこまで脚を見せろを言った?ありがとう!!!

佐々木喜英さん目当てに2016/05/04公演の『刀剣乱舞』を観に行ってすっかり脳内がピンク色に染め上げられました。
わたくしこの1年少々、佐々木さんのためにいくつかの舞台を観たりDVDで拝見して参りましたが、終了後にガチで涙を流したのは初めてでございます。
感動した。佐々木さんの熱演に。
だって、こんなに体を張ってナマ足と殺陣と美貌を魅せてくれるなんて思ってなかったんだ……。
ストーリー自体も、わ~っと明るい話ではないですがよく出来ているなぁという意味でおもしろかったです。それに盛り沢山の殺陣!
地獄のチケット争奪戦と神すぎるキャスティング、作曲まさかのテルジヨシザワ、でここまでお膳立てしておいて蓋を開けたら何が待っているのか……と少々戦々恐々していましたが、終始神作画の殺陣を見せ続けてくれる極上のエンターテイメント舞台でした。
ねーところで宗三左文字役に佐々木さん当ててくれたのはどなた?拝み倒したいんですが。

以下、ネタバレ含むレビューです。
ストーリーの流れに触れるというよりは、要所要所に対して言いたいことを列挙している感じです。
おおむね宗三ヒデ最高とかしか言ってません。だって宗三ヒデ最高だったんだもん。最高にエロい。

レビューにおける前提はこのとおり。

  • 原作ゲーム『刀剣乱舞』はサービス開始日~池田屋実装くらいまでプレイ。1ヶ月間阿津賀志山に篭って三日月をゲットしたところで満足して終了。
  • 好きなキャラは今剣、乱、次郎(オネエ好き)。根っからの家族・兄弟箱推し。
  • キャストは宗三左文字役の佐々木喜英さん推しです。あと江雪役のてるま可愛いよてるま。
  • フォロワーさんの影響で燭台切と長谷部くんにも注目するようにすり込まれている。

舞台そのもののストーリーは、公式サイトにあるあらすじを読んでいただけると早いと思います。
概ね書いてある通りです。審神者(出てこない)の派遣した刀剣男士が、歴史を変えようとする敵をやっつけて史実を守ろうとするお話です。
その敵が出てくる時に、プロジェクションマッピングで背景にドドーンと敵軍の名前が出てくるのがめちゃくちゃかっこよかった。OPのキャラ名と演者の表示とか。あまりマベの舞台でプロジェ略を見たことなかったので、今回ガンガン出てきたのが面白かったです。
で、そんな敵軍が複数で襲いかかってくるのを、だいたい多対一(刀)で圧勝する刀剣男士たちの殺陣!
何この超神作画!?!?!?
12人もいる刀剣たちが、それぞれ個性的な戦い方を披露するのがまた見ていて飽きない!
個人的に注目度が高かったのもありますが、左文字兄弟の殺陣が本当に最高でした。
長い髪と長い衣装をひらひら翻して和睦(物理)する江雪。
小柄な体つきで飛び回る姿が見応えしかない小夜。
そして何と言っても、戦いがもはや美しい舞にしか見えない宗三。
やはり佐々木喜英は天才だった。美しい。
宗三の抜刀がなかなか後半まで引っ張られるのも、来るか来るかと盛り上げてくれました。戦闘シーンが来るの一番最後だったんじゃないかな?

キャラクターたちの動きに関しては、オタクなので正直申し上げて左文字三兄弟での絡みとか燭台切が長谷部くんを呼ぶところを期待してはいたのですが、「近侍組と織田組とそれ以外」という役どころがきっちり分かれていたから仕方ないかなって納得いく感じ。
狂言回しの山姥切、先輩相棒の三日月、主人公の不動、ヒロイン宗三、ライバル長谷部、ブレーンの薬研…といった印象でした。
薬研が宗三の旦那だった(ありがとうございます)。
長谷部もかなりイイ役をもらったなぁ、と思った。
メインのまんばチーム以外では、個人的にはもうもうとにかく燭台切が!!かっこよすぎ!!!ユーモアもある優しいイケメンもう最高すぎか!?!?!?
江雪兄様とお小夜もひたすらめちゃくちゃかわいかった。左文字兄弟が揃うシーンは雀の涙(しかも小夜寝てる)しかないけど、やはり興奮せざるを得なかった…。
ただ、事前にインタビューで三人が揃うシーンが一応あることは知っていたけど、まさか序盤にあるとは思わなかったので驚いた。てっきり後半に殺陣の一環であるのかとばっかり。
怪我をしたお小夜を前にして取り乱す江雪(かわいい)、すかさずおんぶする燭台切(かっこいい)は大変よかったし、江雪兄様自分で背負わないの!?と笑った。いやあの衣装じゃ無理か。

そんな感じで、ストーリー自体がめちゃくちゃ熱い楽しい面白い!!…と思ったわけでは正直ないのですが、よく出来ていたなぁと感じました。
良い意味で誰が主人公か分からないくらい、メインキャラたちはみんな目立っていた。織田組の葛藤や関係性の描き方が好きだ。
不動に対しても、正直あまりいい印象は残らなかったけれど、そのヘイトを溜めるという大事な役どころを果たしていたと思った。
本丸の中でも、最後に長谷部くんとわいわいしてたりして、確執が残ったわけじゃなさそうと分かってよかったし。

特に上手いなぁ、と思ったのが、織田組や蘭丸・明智がそれぞれの持つ信長像を語り合って愛憎渦巻いていることはよく伝わってきたけれど、当の織田信長自身はハッキリとは登場しないところ。
お陰で、みんなが語る言葉はそれぞれにとって真実であり、肯定も否定もされない。不動と長谷部、宗三と蘭丸など、信長に対して相反する認識を持っていてもどちらも嘘じゃないんだな、と思えた。
あと明智光秀。刀たちにとっては元主サイドだから蘭丸が善玉のように見えるけど、対する明智光秀も悪玉ではないという印象を受けて面白かった。
史実に善も悪もないもんね。
逆に、蘭丸が死ぬべきところで死ななかった以降、狂ったような言動になり、自分に味方してくれている不動に対しても斬りかかる姿が、まるで時間遡行軍と化したように見えたのも好き。
私が刀剣乱舞をプレイしていた頃によく見かけた、遡行軍=刀剣たちの成れの果て説を連想した。
舞台冒頭では蘭丸がアンサンブルに「上様は!?」と訊ねているのに、本編ではアンサンブルが蘭丸へ「上様は!?」と訊ねる側になっていたのも、歴史が変わったからか?と思って面白かった。

そんな織田信長周辺の悲劇の中で、一層悲劇的に美しく描かれていた、宗三ヒデ姫…最高だった。
最高にエロかった…。
誰があそこまで色っぽく演じろと言った!?ありがとう!!!!!
よく動く籠の鳥、本当に最高だった…。着物が開きまくって脚チラチラしすぎで、あれ絶対パンチラしてた…見えなかったけどしてたと思うんだ…。
まさか宗三がここまでメインヒロインだと思ってなかったので、なんかもうありがとうございますしか言えない。ヒロインだけど強い。ふくらはぎの筋肉マジ佐々木喜英
何かあるとすかさず飛んで来る宗三の身体能力が見ていて楽しすぎる。急に出てくるからオペラグラス構えるのまったく間に合わない。強い。
宗三が走り抜けて蘭丸を斬るところがもうめちゃくちゃカッコ良かった。返す刀で蘭丸を抱きかかえる動きお見事。その後で刺されてもちょっと倒れただけで、すぐ元気に動き回れる宗三さすが付喪神。普通の人間キャラクターだったら動けなくなったりしそうですが、その野暮ったさを解消できるから付喪神って素晴らしいですね。
そして極めつけが、真剣必殺。
長谷部、薬研、不動は上半身ほぼ裸で脱ぎまくりですが、宗三は左肩を出しただけ。そこに流れる桜色の髪。日本のヴィーナスか?
その髪をかきあげる仕草はまさにこの世の桃源郷。幕末に続き今度は戦国、私は何回佐々木喜英の乳首を生で拝めるというのでしょうか?
宗三は服を着てもかわいい。内番衣装かわいい。でもうっとり野菜を撫でるのはエロい。宗三エロ可愛い。知ってた。
随所に挟まる宗三と薬研の会話が、勝手知ったる旧知の仲といった雰囲気でこれまた堪りませんでした。いやぁ……薬研かっこよかったな~。

紅白戦での燭台切と長谷部の斬り合いもカッコ良かった。ていうか燭台切がよかった。
ギャグシーンに入ればお小夜と「殺し合う」「殺さないよ」「どら焼きで誰に復讐するんですか?」「復讐はしないよ」って可愛いし。
鶴丸と並んで白と黒が映えるのも見応えあったし、声の再現率も高かった。
声と言えば、三日月宗近
声が完全に三日月だったんだけど、鈴木拡樹の声帯には鳥海浩輔が住んでいるんでしょうか?
鈴木拡樹氏を拝むのはスーダン舞台が初で次がこれだったのですが、前回はそんなに声の再現率は意識しなかったので(元キャラが女性声優だから無理があったのでしょうが)三日月の声がまんま原作すぎて、アテレコされてるのかと混乱するくらいでした。
人間あそこまで声帯模写ってできるんですね…。

紅白戦のシーンでは、まんばチームは山姥切・不動・宗三・長谷部・薬研・鶴丸、三日月チームは三日月・一期・江雪・燭台切・鯰尾・小夜、というバランスの悪さにまず吹いた。
そりゃ長谷部も「なんだこれは!」って言うよ。レア太刀何人いるんだよ三日月チーム。こんなのと演練で当たったら嫌だよ。
ここで長谷部が「団体戦の演練なら他の本丸に頼めばいい」と、元ネタのゲームシステムを引っ張ってきた台詞を言ったりするのが楽しい。ゲームの舞台化の醍醐味を感じる。
そんな毒舌マジレス不仲勢に囲まれて、胃に穴が空くとまで言われた山姥切。綺麗だし可愛かったです。
今後も近侍まんば+相棒アドバイザーの三日月、を主軸に据えた本丸を舞台化していくのも面白そうだなぁと思いました。
ところで結局、急に時間遡行軍が強くなってた理由って何?
途中から有耶無耶になっていてよく分からなかったんですけど、これは次回作以降で説明されるんでしょうか。
三日月も次回作あたりで急にいなくなってしまいそうなフラグを立てていたし…。

最後に、刀剣男士12人並んでおじぎをするカーテンコール。
みんな基本的な普通のおじぎの中、左文字三兄弟だけ特徴的なおじぎで、最後まで興奮させていただきました。
江雪→膝をガッツリ曲げるお坊さんのようなおじぎ。
小夜→両腕両足を広げて頭を大きく下げる少年らしいおじぎ。
宗三→胸元に手を当てて膝を少しだけ曲げるおじぎ。姫か?
このカーテンコール、5/4時点ではラストまで残っているのは三日月とまんばの2人だったのですが、聞いたところによると途中から三日月+まんば+宗三の3人になったそうですね。
つまり宗三はそれほどまでの扱いということなんですね。
その宗三を演じているキャストこそが、我らが佐々木喜英…。
本当にありがとうございました。

日替わりの燭台切のお菓子コーナー、おはぎとどら焼き。
食べた長谷部が台詞を言おうとしてむせておはぎを吹き、鶴丸の「食べ終わってからしゃべろうな」で会場大爆笑。おいしい役でした。二重の意味で。

個人的には再演もとても好き。オープニングがよい。