ミュージカル『刀剣乱舞～幕末天狼傅～』感想

（この記事は、2016/10/04の観劇感想を2017/05/28にブログに掲載しました）

刀ミュ幕末天狼傳観てきた！

ストーリーすごくよかった！刀剣男士だけでなく新選組おなじみの近藤さんとトシと総司がめちゃくちゃよかった…最後の「総司すこし休め」のところちょっと本気で泣きかけた。
オープニング曲にあの刀剣乱舞！強く強く～を歌うと思ってなかったから不意を突かれたところに、更に階段が四分割されたところ腹筋がヤバかった。でもあの歌好き。
メインキャストほとんど馴染みない方々だったんですが、堀川国広役の方、小柄な体格で非常にキレのあるダンスがすごくよかったですね。まるで刀ではなくテニスラケットを持っているみたいでした。
酔っ払ってわけわかんない俳句詠んでる兼さんと寝かしつけてる国広かわいかった。
正直メインキャストみなさん歌は…と思ったけど、国広はさすが全てにキレがあってよかったなぁ。あと清光と安定、どちらも声質レベルで元のキャラと違うから寄せるのに限界ある感じだったけど、言動が可愛いし健気ですごくよかった。
そして新選組おなじみ３人組…あれもう主要キャストの内だよ。
刀ミュで感じたこと。史実では近藤勇の首をはねるのに長曽祢虎徹を使った説があるって聞いた覚えがあるんだけど、だから最後で長曽祢が斬るのか？と思ったし、それを蜂須賀が押しのけたのは「わずかな歴史の差異は解釈の範囲内」っていう話にかかってるのかな？と感じて面白かった。
刀ミュの総司が「僕は近藤さんと土方さんの夢を叶えるためならなんでもする！」的なこと言うたびに正直思い出すものあったし近藤さんが「トシと総司は俺にとって弟みたいなもの」って言ったところ頭抱えた。
新選組が太鼓叩いてるのにあわせてペンライト振ってたあたり、私は何をしているんだ…？（曲はかっこいい）って若干の混乱があったけど、その間にキャストは着替えたり裏を走り回ったりしなきゃいけないんだから大変だよなぁ。上手にはけたキャラが次は下手から出てくる、ってシーン多くてびっくりした。
人間パートがかなり多かったのは驚いたけど、近藤・トシ・総司の兄弟感に蜂須賀と長曽祢の関係を重ねて描いたのが個人的に好き。長曽祢は新選組刀には慕われているけど当人の根っこは結構もろいキャラだと思うから、それに対する蜂須賀の使い方が上手かったな～。
長曽祢が考えてること最後まで分からなかったんだけど、蜂須賀は「何考えてるか分からないけど１人で抱え込むところが嫌い」と言ってるし分からないままで良いってことなのかな。
元主を引きずってるキャラ代表格の安定が、沖田くんのためにかなりの無茶までしたからこそ彼の生き様を肯定する結論に自力でたどり着いたのがよかった。影で支える清光も良い。
新選組刀に混ぜられてアウェイ感あった蜂須賀が、最終的にはストーリーの大事な位置に立っていてしっかり部隊を引っ張っていたところ良かったなぁ、今作で特に株が上がった枠。
あと二部で結構近くに来てくれたけど顔がすごく美しかった、これが蜂須賀虎徹…。
キャストが舞台上の端から端までくまなく回っていくし、客席降りではだいたい全員が劇場を一周していくし、これがファンサービス…！！と刀ミュの洗礼に戦慄した。
国広がうちわ持った客を手の銃で撃ってて客が死んでた。あれは死ぬわ。
客席降りの時に清光に突き飛ばされた安定がよろめいて客席の背もたれに座っちゃったら、国広か誰かが真似して座って悲鳴が上がってたのもすごい刀ミュワールド感じた。

幕末天狼傳の特に好きなところは、清光と蜂須賀の「武器として」「飾りとして」与えられた役目を全うした自分に誇りを持っていること。人間側も近藤さんや総司が自分の運命に納得して受け入れているから、安定と長曽祢も元主への未練を前向きに断ち切れたこと。
重いけど後味の良いラストだなと思った。
そのあたりの悩みがないから土方刀はすこし影薄い面があるけど、精神的余裕がある分アドバイスしたり仲介ポジションができるのが、副長らしさを感じた。兼さんは癒し系兄貴分として重要。
刀ミュ幕末天狼傳、自分的には面白かったんだけどそれは私が新選組好き（※にわか）だから人間パートだいぶ楽しめたお陰のような気がするので、純粋に刀剣男士とその役者が見たかった人にはどうだったんだろう…？さすがに安定というキャラクターを描くには沖田総司を出さざるを得なかったと思うけど。
幕末天狼傳みたいな感じで陸奥守と坂本龍馬を描く舞台やってくれたら観たいんだけど、倒幕派の刀剣男士が他にいないうちは物語にしにくそうだなぁ。初期刀なんだけどな…歌仙はまだお小夜と絡めればいけるのかな？幕末刀以外あまり詳しくない。
坂本龍馬や沖田総司という人間が今からほんの150年前には実在していたのだから驚きだ。

安定はかわいい（知ってる）。